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旅とか本とか、そんな記憶

Italy(5):フィレンツェ2日目

 今日は取材日。まずは、「La Marzocco」というエスプレッソマシンメーカーへ。大手企業が1年に35000台ほど生産するなか、マルゾッコはすべてハンドクラフトのため1年に1500台程度しか生産していない。
 イタリア人の生活にエスプレッソは欠かせない。目覚めの一杯に、プライベートと仕事との一区切りに、気分転換にと1日3~4回は飲むという。取材したマシンのデザイナーの叔父さんは、1日に15回も飲んでいたそうだ。彼は多すぎだと思うけれど、イタリア人はみんなエスプレッソの愛着を感じているという。工場を見学させてもらい、社長とデザイナーにじっくり話を聞いたあと、デザイナー自らがエスプレッソを淹れてご馳走してくれた。コーヒーには砂糖を入れない派なので、エスプレッソにも砂糖を使ったことはなかったのだけど、エスプレッソは砂糖を入れるのが基本と教えられ、言われるままにざらりと投入。今までは酸味がきつく感じられて好きじゃなかったのだけど、砂糖を入れると酸味と甘みが感じられておいしいじゃないですか! 今までおいしい飲み方をしてなかったんだなと反省。
 ランチを挟んで、次はホテル取材へ向かう。

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取材帰りに車を降りてパチリ。少し車を走らせるだけで、田舎の風景が広がる。

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シニョーリア広場のマルゾッコ像。ライオンがユリの紋章を持つ「マルゾッコ」は、フィレンツェのシンボルになっている。社名の由来でもある。

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  “花の都”と称されるフィレンツェは歴史ある建造物が立ち並び、こってりとしたヨーロッパ趣味全開の街だ。街のホテルやレストランなどもこってりとした美意識で彩られている。アルノ川沿いの「Gallay Hotel Art」は、そんなフィレンツェに異色の、現代的なデザインホテルである。オーナー曰く、「このホテルは、フィレンツェを祝福するために作った。併設のギャラリーに極上の現代アートを展示することで、フィレンツェの古典的なアートの美しさを再認識してほしい」と。
 何日か滞在してわかったのは、フィレンツェの街にずっといると、感覚が麻痺してくるってこと。どこを見ても美観地区なので、目や感覚が慣れてしまい、見過ごすものが多い。そして、重厚な街の空気に少しずつ疲れてくる。このホテルは調度やデザインはシンプルだけどとても洗練されていて、シャープな空気が漂っている。ホテルに戻ってデコラティブな空間と切り離されると、感覚がニュートラルになって、リフレッシュして、またこってりとした街の美意識を楽しむことができる。オーナーの語る現代アートの効用はイマイチ肌で理解できなかったけれど、ホテルの日常感と街の非日常感がいいバランスだなと思った。

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ロビーそばのラウンジスペース。写真が暗い。

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取材時にギャラリーに展示されていたのは、美女の写真。アラーキーの写真も展示されていたと記憶。

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宿泊した部屋。すっきりとして居心地がよかった。

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バスルームはちょっとコンパクト。でも、洗面が2面あるとふたりで泊まる時には便利。

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 夕食はアルノ川近くの「Pizzeria Dante」へ。メニューを見ていると、ひとり1枚頼むつもりだったらしい。いやいや、わたしそんなに食べられないから…。そこで、わたしはサラダを頼んで、ほかの3人から1切れずつせしめる作戦に。どうせなら本場のチーズを使ったクワトロ・フォルマッジョが食べたい。本場のチーズは美味しいですよ、頼みましょうよ♪と言いくるめてオーダーしてもらう。クワトロ・フォルマッジョは焼きたてはおいしいけれど、チーズが固まりだすと途端においしさが半減する。大人数で一気呵成に食べる時じゃないと頼めないんよね。好きな味を楽しめてほくほく気分に。
 夜のアルノ川はムーディーな感じ。鴨川のように川辺でいちゃこらしているカップルを眺めつつ、ホテルへ帰宅。

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ボケてますね。雰囲気だけ・・・。