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旅とか本とか、そんな記憶

Italy(7):フィレンツェ→ヴェネツィア

 午前中、撮影がてら「ウフィツィ美術館」へ向かう。ルネッサンス絵画が多く収蔵され、ボッティチェッリダ・ヴィンチミケランジェロラファエロら巨匠の作品がずらりと並ぶイタリア屈指の美術館だ。U字型になった回廊に作品が展示されている。展示室を出ると外の景色が眺められるので、目や気持ちをリセットできるので見やすい美術館だと思う。ボッティチェッリの「春」「ヴィーナスの誕生」に、テツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」があるのに感動。役得役得とほくそ笑む。
 ゆっくり見学したあとK氏とカフェでコーヒータイム。荷物もパッキングできているし、ここでの仕事はすべて完了しているので、ゆったりとした気持ちでコーヒーを楽しむ。
 ホテルに戻りチェックアウト。今日は鉄道で移動するので、まずはタクシーでターミナル駅、サンタ・マリア・ノベッラ駅へ。乗り込むのは、12:39発ヴェネツィア行きの特急列車。売店で売っていたサンドイッチをランチに、鉄道の旅と洒落込む。

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 15:28にヴェネツィア・サンタ・ルチア駅に到着。ヴェネツィア滞在は2泊。取材が終わればM氏とはここでお別れ。我々は一度ミラノに列車で戻って1泊してから帰国する。帰りの列車のチケットを手配していなかったので、チケットを買おうとするものの券売機の使い方がよくわからない。我々がわからないのはしょうがないけれど、世界各国を旅しているM氏がわからないのは由々しき事態。何回かトライするがうまく最後まで処理できない。むむむと大人4人が困り顔をしていると、後ろに並んでた家族連れの男の子(7歳ぐらい)が教えてくれた! ありがとう! ありがとう!
 気を取り直して、ホテルのある中心街へ向かう。駅を出た瞬間、広がる光景を目にしてK氏とO氏が言ったのは、「うわぁ~。ここ、ディズニーシーだ!」だった(笑)。

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ディズニーシー?


 ヴェネチアは海に浮かぶ街。本島での移動は、水路か徒歩。まずはバポレットと呼ばれる水上乗り合いバスの停留所へ。浅草の水上バスっぽいかんじだけど、見える景色が全然違う(当たり前)。ヴェネツィアに来たんだなって気持ちになって、ちょっと感動。

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タクシーもボートである。


 ホテルはサン・マルコ広場にもほど近い「Hotel Ca’dei Conti」。小さなホテルだけど、街の雰囲気にぴったりなヨーロッパ趣味全開のホテル。さっきまでモダンなホテルにいたので、そのギャップにちょっとたじろぐ。

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ホテルに入るためには、建物の前に作られたこんな小橋を渡らなくてはならない。「わっ、ヴェネツィアっぽくて素敵♪」と一瞬思うけれど、トランク持って移動するのは苦労した。

 

 ここでのミッションは、街のスナップ撮影と、ゴンドラを漕ぐゴンドリエーレの取材。18:00にアポを取っているので、取材場所へ向かう。
 取材対象は20年ゴンドラを漕いでいるというパウロ氏。小さい頃からボートを漕いでいて、18歳でゴンドリエーレになったという。広い水路もあれば、狭い水路もある。ゴンドラ同士がすれ違うこともある。巧みな棹さばきを見ながら、話を聞く。ゴンドラ自体もそれほど大きくないし、乗りこむとかなり低い位置に視線が来る。歩きながら見ていた街並みと、限りなく地面に近い目線から眺める街並みは、なんだか別物。ゴンドラからだと足元に広がるきれいとは言えない部分まで見えてしまうので、ヴェネツィアという一大観光都市の生活感までも見えて、ぐっと親近感が湧いた。 

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見えにくいが、たくさんのゴンドラが停泊中。

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取材をしたパウロ氏。日差しがきついので、ゴンドリエーレの多くがサングラスをかけている。いかつい。

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 取材を終えて、M氏を含めた最後の晩餐へ。この時に行ったトラットリアが雰囲気、味ともによくて印象深いのだけど、ショップカードを紛失。幻の一軒になってしまったのは、本当に痛恨。蔦のからまっているような外観のトラットリアで食べたイカ墨パスタがまさに絶品。M氏だけが頼んだのだけど、ひとくち味見をさせてもらった3人ともが口をそろえて「それにすればよかった!!」と後悔するほどのお味でした。あぁ、またあの味にめぐり合いたい。