ParamneSia

旅とか本とか、そんな記憶

Italy(11):帰国

 成田に到着したのは、明けて15日の9:25。よろよろと飛行機を出て入国審査へ。ゲートを抜けたところで、K氏が手をこちらに差し出す。「無事に帰ってきましたね。お疲れ様でした」とみんなで握手。スーツケースをピックアップして、それぞれ家路に着く。
 会社に行く元気はなく、とりあえず無事に帰りましたと電話だけ入れて、ベッドにダウン。飛行機でも眠ったけれど、やっぱりゆっくり眠りたいのです。疲れきってぐーすか眠る。

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 これが初の海外出張。先輩たちが行っているのを見て「わたしも行きたいなぁ。楽しそう」と思っていたけど、楽しいだけじゃなかった。言葉や勝手が違って戸惑ったり、ずっと仕事仲間と一緒にいることにストレスを感じたりと、疲れることも多かった。普段午前中は寝てるような人間なので、毎日早起きしてかなりがつがつ歩きまわるのは体力的にもきつかった。でも、一般的な旅行と違って、なかなか入ることができない場所へ入れたり、話すことができない人たちと話せたりと、とても充実したものだった。よき体験だったなと思う。

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 初めての海外取材ということもあり、ノートの記録も取材内容以外は、かなりの大雑把なメモしか書いていなかった。それでも、初めての経験で印象深かったことも多くて、いろんなことがいまだに記憶に残っている。それをかき集めてこの旅日記を書いたのだけど、ひとつ、あやふやな記憶がある。
 フィレンツェ滞在中、我々が取材に来ていることをどこかから知った財閥系?の人が、オフィスに招待してくれた。日本でビジネスを考えているみたいで、その相談をM氏に持ちかけていたようだ。そのあと、ご先祖代々の礼拝堂を案内してくれたんだけど、「聖人の骨のかけらを納めてるんだ」と、自慢そうに見せてくれた記憶が。ハイブランドの店がひしめく通りのちょっと裏にあるとは想像つかないTVドラマに出てくるようなゴージャスなオフィスから、いわくありげな礼拝堂へと移動したんだけど、あれは本当のところなんだったんだろう? 夢だったりして。